ジョーダン司法委員長が主導
米国の中間選挙で共和党が下院で過半数を獲得したことで、議長や委員長のポストを独占した。
これを受けて共和党は、中間選挙での「公約」にしてきたジョー・バイデン大統領の次男ハンター氏(52)が、父親の副大統領在任中、ウクライナや中国の腐敗企業と不透明な関係を結び、巨額の報酬を不当に得たとされる疑惑の解明に動き出した。
こうした容疑の解明には本来、司法委員会(ジム・ジョーダン委員長=オハイオ州選出)や監視・改革委員会(ジェームズ・コマー委員長=ケンタッキー州選出)が先頭に立つことになっていた。
ところが、新議会が幕を開け、右派強硬派のマージョリー・テーラー・グリーン議員(ジョージア州選出)らからは問題究明のために下院に特別委員会を設置すべきだとの意見が出されている。
特別委員会は、各委員会の機能を終結して総合的な究明追及を図り、あわよくばバイデン大統領弾劾にまで持っていこうとする意図がありありだ。
(https://www.politico.com/news/2022/12/30/mccarthy-biden-conservatives-investigations-00075847)
共和党天下になった下院の議長を目指したケビン・マッカーシー議員(カリフォルニア州選出)だったが、過半数を取れずじまい。党内右翼過激派の「反乱分子」の反対で議長のポストを諦めざるをえない可能性も出てきた。
(背後にドナルド・トランプ前大統領の影がちらついて見えるのは筆者だけだろうか)
下院多数党の下院議長がすんなり決まらなかったのは1923年、フレデリック・ジュレット議員(マサチューセッツ州選出)以来100年ぶりだ。
誰が下院議長になろうと、右派勢力が主張する特別委員会設置要求をのまざるを得なくなってきた。
共和党の戦略はハンター氏の不法行為を追及する糸口として、これを黙認してきたCIA(米中央情報局)やメートルの「政治的偏重傾向」(つまり民主党偏重)の実態を暴こうというわけだ。
ただ単にハンター氏の不正行為を暴くといった党派的なものではなく、こうした関係機関の「偏重傾向」を追及し、是正するのだという大義名分として打ち出すことで「厳正公正さ」をアピールしたわけだ。