「トランプ納税申告書」公開
米下院歳入委員会(リチャード・ニール委員長=民主、マサチューセッツ州選出)は2022年12月30日、ドナルド・トランプ前大統領(76)の6年分の納税申告書を公開した。
公開された文書は45件で数百ページ。トランプ氏の資産や事業の業績、納税額削減の方法について明らかになる。
結果次第では、2024年大統領選に正式立候補しているトランプ氏の候補者としての資格が問題視されるのは必至だ。
公開と同時に税務専門家たちが膨大な文書の内容を精査し始めているが、すでにいくつかの点が判明している。
一、トランプ氏の所得と納税額は、大統領選出馬表明から任期中の2016年から20年にかけて大きく変動している。
(所有するトランプ・オーガニゼーションは年によっては大幅な赤字経営だった。つまり、トランプ氏が自負するような「経営の神様」ではなかった)
二、トランプ夫妻が多額の控除や損失を主張し、この数年間所得税をほとんど、あるいは全く支払っていなかった。
(つまり大掛かりな脱税をしていた疑いが出てくる)
三、内国歳入庁(IRS)は、毎年、大統領の納税状況を監査する規定があるにもかかわらず、トランプ氏の納税状況を監査していなかった。
(トランプ氏が大統領特権を行使して監査を退けていた疑惑が出てくる)
◇公表されたトランプ氏の所得納税記録
調整後所得 納税総額
2015年 ▲31,756,435 641,931
16年 ▲32,409,674 750
17年 ▲12,916,948 750
18年 24,339,696 999,466
19年 4,380,714 133,455
20年 ▲4,795,757 0
※▲は赤字。単位はいずれもドル
(https://www.nytimes.com/2022/12/30/us/politics/trump-tax-returns-takeaways.html)