トランプ番女性記者が衝撃記事
「来年のことを言うと鬼が笑う」かもしれないが、その諺に反して米国では2024年大統領選に向けた駆け引きが水面下で始まっている。
英語では「Fools set far trysts」(愚か者は遠い先の約束をする)。
その最たる人物がドナルド・トランプ前大統領だと言い切ったのは、トランプ氏との単独インタビューを許されたことのある敏腕記者、オリビア・ヌッツィ氏(29)だ。
米知識層に愛読されている「ニューヨーク」誌の政治担当ワシントン駐在だ。同誌の最新号に掲載された記事はショッキングだった。
長い見出しだ。
「内幕、ドナルド・トランプの悲しき、一人ぼっちの、乾いた、打ちひしがれた、基本的には見せかけの再出馬 (もっとも勝てないとは決して言わないが)」
“Inside Donald Trump’s sad, lonely, thirsty, broken, basically pretend run for reelection. (Which isn’t to say he can’t win.)”
11月15日、フロリダ州のトランプ氏の私邸、マール・ア・ラーゴで開かれた立候補演説会場からの「インサイドストーリー」だ。
トランプ氏とのインタビューはもちろん、集まったトランプ側近や支持者たちから生の声を集めている。
トランプ氏は直ちに自前SNSで反論、「すべてが安っぽいデマ情報だ」と切って捨てた。飼い犬に噛まれた心境だろう。
その記事のさわりは以下の通りだ。
一、会場に集まったのは招待された保守派の政治家や取り巻きばかり。メディアは厳しく規制された。
どこか寂しげな表情のメラニアさんと息子のバロン君、それに二男のエリック氏の妻で政治好きのローラさんはいたが、イバンカ、ジャレッド・クシュナー夫妻や長男ジュニア氏の姿はなかった。
二、トランプ家で唯一のユダヤ教徒のクシュナー夫妻はトランプ氏がホロコースト否定論者のイ(カニエ・ウエスト)やニック・フォンテスを招いて食事を共にしたことに憤り、トランプ氏の再選支持をしなかった。
三、側近たちも再選には冷やかなコメントをしており、選挙対策責任者やスタッフもいまだに決まっていない。
選挙キャンペーンの予定もなく、マール・ア・ラーゴに支持者を招いて小規模な集会はやっているが、外に出ていくのは近くのゴルフ場のみだ。
四、2021年1月の米議会乱入事件の真相究明を目的に設置された下院特別委員会がトランプ氏を糾弾したことや、下院歳入委員会の納税記録提出要求などの不正行為について問いただすと、トランプ氏は30分のインタビュー中「私は何らやましいことなどしていない」(I’ve done nothing wrong)と9回も繰り返した。
五、(大統領選への出馬を虎視眈々と狙う)ロン・デサンティス・フロリダ州知事(44)が「統治する州に居住する者として」と切り出すと、不快な表情になった。
「私はフロリダ州に住んでいる。だが、(デサンティス氏が)統治すると言われたのでは・・・・」と苛立った。
六、(2016年の州知事選の時、当選が危ぶまれたデサンティス氏をトランプ氏が推薦・支持したことで当選したことを取り上げて)吐き捨てるように言った。
「人間は人から受けた恩を忘れる。政治家は忘れっぽい。(上院院内総務の)ミッチ・マコネルなどはコテンパンにやられていたのを助けてやった。私が推薦しなかったら、奴は今、上院議員ではない」
七、そのデサンティス氏がウォールストリート・ジャーナルの世論調査で支持率52%を取り、トランプ氏(38%)を大きくリードしたことについては次のように答えた。
「デサンティスなど恐れてはいない。私は(誰が立候補しようとも)誰も恐れてはいない。予備選で私に勝つ者などいないよ」
八、一言でいえば、今のトランプ氏には一人として助言する者はいない。かつてトランプ・ホワイトハウス当局者たった一人は「トランプ氏は自らが創り上げたファンタジーの世界で生きている。それが同氏のファンタジーを勇気づけている」と言う。
(https://nymag.com/intelligencer/article/donald-trump-running-for-president-2024.html)