ドキュメンタリーに続き回顧録1月10日発売
「今年の漢字」は「戦」。
ロシアのウクライナ侵攻、冬季五輪、サッカーのワールドカップなど様々な戦いがあった。その師走、英王室を離脱したヘンリー王子の「戦」も始まった。
伝統と血筋を重んじ、そのためには愛する妻を傷つけ、踏みつけても平然としているインスティテューション(機関・制度・慣習)としての英王室に対する復讐だった。
王子は返す刀で、無神経な好奇心と商業主義に走る大衆マスコミを切りつけた。
白人と父と黒人の母との間に生まれたバツイチの二流ハリウッド女優との恋に溺れ、王室という閉鎖社会を飛び出した王子の「戦」に、英王室、エスタブリッシュメント、そして王室を敬愛する一般庶民は王子を激しく非難している。
ところが、その王子と妻、子供を迎え入れた新天地・米国はこの王子の「戦」を熱烈歓迎している。
非英国系の米白人でも英国が大好きだ。
かつて植民主義国家だった英国から独立を勝ち取ったくせに英国が好きだ。言語、文化、風習、文化と米国の基盤が英国だからだが、それだけではない。
好きなだけではない。英国を敬愛し、憧れ、軍事・経済面では「特別な同盟関係」になっている。
英王室には特別な関心がある。今年9月、逝去したエリザベス女王2世には特別な親しみを感じてきたし、ダイアナ妃にはいまだに愛着を持っている。
そのダイアナ妃の二男の「戦」を応援するのはむしろ自然の流れなのかもしれない。
混血のメーガンさんは、米国生まれで、名門ノースウエスタン大学を卒業後、それほど目立った存在ではないが、ハリウッド映画にも数本出演、テレビドラマに出ていたことで、米国の一般庶民も親近感を抱いていた。
特にアフリカ系米国人は、黒人との混血女性を妃にしたことでハリー王子に特別な眼差しを注いできた。