トヨタの燃料電池自動車「MIRAI」(写真:TT News Agency/アフロ)

 2022年12月に日本カー・オブ・ザ・イヤー2022-2023の最終選考会が開催されて、年度代表に電気自動車(EV)の日産「サクラ」と三菱「eKクロスEV」が選ばれました。カー・オブ・ザ・イヤーにEVが選出されたのは、2011-2012の日産「リーフ」以来、2度目で、軽自動車では初めてです。

EVが席巻した2022年の日本市場

 今年はこの2台の他に、海外メーカーのシトロエン、ボルボ、BMW、ヒョンデ、フィアット、メルセデス・ベンツ、アウディ、テスラ、フォルクスワーゲンからEVが発売され、販売台数も順調に伸びているようです。国産車と合わせた今年1月から11月のEV販売台数は4万9197台になり、近年最高を記録しています。

 とくに軽自動車の日産「サクラ」は、補助金を含めると最も安いグレードが200万円を切ることなどから大人気になり、11月にはプラットフォームを共有するガソリンエンジン車「デイズ」の月間販売台数を上回るほどでした。現在は、半導体不足などの影響から供給が間に合わず、一時的に受注をストップする事態になっています。

 その一方で、政府が成長戦略の中でEVと同等に扱っている燃料電池自動車(FCEV)は、昨年こそ東京オリンピック用に多数の車が登録されたこともあって月に数百台が売れたこともありましたが、今年はここまで490台にとどまっています。

 販売するメーカーも、ホンダが2021年にFCEVの生産を中止したため、国産車はトヨタの「MIRAI」しかありません。輸入車では韓国のヒョンデが販売をしていますが、月に数台程度にとどまっています。