プロローグ/誤算続きの「プーチンの戦争」
ロシア軍のウクライナ全面侵攻作戦は、「プーチンのプーチンによるプーチンのための戦争」です。
戦争の規模こそ異なれど、ウクライナ侵攻は「第2のバルバロッサ(赤髭)作戦」とも言えましょう。
この原稿を書いている12月5日は、2022年2月24日のロシア軍によるウクライナ侵攻後既に285日目に入りました。
昨日(12月4日)のOPEC+協調減産会議では、現行の減産維持合意(2mbd減産)を来年も継続することが決定(mbd=百万バレル/日量)。
次回OPEC+協調減産会議は来年6月4日に予定されていますが、必要に応じ臨機応変に開催されることも決まりました。
今回の協調減産継続を受け、今後油価はどのように動くのか筆者は注目しております。
本稿の結論を先に書きます。ロシアのV.プーチン大統領(70歳)の対ウクライナ戦争は、結果として、ロシアの原油と天然ガス生産量低下をもたらすことになるでしょう。
ロシア経済は石油・ガス依存型経済構造です。ロシアの原油・天然ガス生産量低下によりロシア経済は弱体化必至にて、ロシア経済弱体化はプーチンの墓標になる可能性大です。
換言すれば、プーチン大統領はロシアの国益を毀損しており、ロシアの真の敵はプーチン大統領その人ということになります。
本稿では、「プーチンの戦争」がいかにロシア経済を疲弊させ、ロシア(露)の国益を毀損しているのか、筆者の独断と偏見と想像を交えて考察したいと思います。