第7部:減少する原油・天然ガス生産量

 ロシア経済は油価依存型経済構造であり、油価長期低迷はプーチン大統領失脚に直結します。

 現在進行中のウクライナ侵略戦争用戦費調達のため、ロシア経済は疲弊しています。

 ロシアの原油・天然ガス生産量は減少しており、本稿では定量的にこの点を数字で検証したいと思います。

 ロシア連邦統計庁は2022年9月までの(コンデンセートを含む)原油・天然ガス月次生産量を発表しましたので、直近4年間の月次生産量を概観します。

 ロシアの原油・天然ガス生産量は以下のグラフの通りにて、今年のウクライナ侵攻後に原油・天然ガス生産量が低下していることが一目瞭然となりましょう。

 付言すれば、2020年の原油・天然ガス生産量が低いのはコロナ禍による需要低迷が原因であり、2022年後半の原油・天然ガス生産量減少は、欧米メジャーや石油サービス企業撤退に起因します。

(出所:上下共に露連邦統計庁統計資料より筆者作成/bcm=10億立米)