吉備高原都市の商業施設に掲げられた「デジタル田園健康特区」の表示(筆者撮影)

(桃田 健史:自動車ジャーナリスト)

 岡山県の「へそ」にあたる町、県中央部に位置する加賀郡・吉備中央町(きびちゅうおうちょう)が全国の注目を集めている。

 2022年3月、国が目指す「スーパーシティ」構想の一環である「デジタル田園健康特区」に指定されたからだ。

 吉備中央町では一体どのような政策を推進しようとしているのか?

吉備中央町は「ブラウンフィールド型」

 スーパーシティ構想とは、「AIやビッグデータを活用し、地域が抱える様々な課題を解決し、社会の在り方を根本から変える『まるごと未来都市』の実現を、地域と事業者と国が一体となって目指す取り組み」(内閣府)である。

 こうした未来型まちづくりとしては、スマートシティや近未来技術実証特区などの取り組みがある。これらではエネルギーや次世代交通など技術先行型の視点が重視されてきたが、スーパーシティは、住民目線で社会全体の変革を目指すとしている。