薬物依存症でトラブル続きだったクラプトンはマイアミで『461 Ocean Boulevard』をレコーディングし、見事、復活を果たした。同じように苦しんでいるビー・ジーズにマイアミで音楽に向き合うよう進言した。

音楽性を大転換、ディスコミュージックの牽引車に

 そこで生まれたのが、『サタデー・ナイト・フィーバー』のサウンドトラックにも入っている「ジャイヴ・トーキン」。この曲で全米1位に返り咲き、完全復活を果たした新生ビー・ジーズ。まさかその立役者がクラプトンだったとは。失礼ながらシニカルなクラプトンが進んで人助けをするとは思い難く、それだけ腐らしておくには惜しい天分がビー・ジーズにはあったのだろう。

「マイアミ・サウンド」を得た彼らの曲はクラブで大流行。それまで黒人とゲイのものだったディスコ音楽を一般的な人気にまで引き上げた。

© 2020 Polygram Entertainment, LLC – All Rights Reserved.

 ブームを業界は見逃さない。ディスコを題材にした映画が作られることになり、サウンドトラック用に踊れる音楽を集めていたプロデューサーがビー・ジーズに声をかけるとちょうど新アルバムをレコーディング中だった彼らは「ステイン・アライヴ」「愛はきらめきの中に」を提供。もちろん「ナイト・フィーバー」も。