「初老」──そう呼ばれる年代になったとき、どんな楽しみが待っているのだろう。「はじめての初老」を迎えたコラムニスト・石原壮一郎と漫画家ザビエル山田がタッグを組んだ「怒らない、悩まない、嫌われないための……」いや、「新しい老」と向き合うための「初老」養成講座。(JBpress)

文・石原壮一郎/4コマ漫画&イラスト・ザビエル山田

どうだ、書いてやったぜと得意げな投稿

 SNSは、楽しくも恐ろしいツールです。

 前回は「尊敬を得られる振る舞い」についてお話しましたが、引き続き「やってはいけない」ことを考えてみましょう。

【前回:感情的で危険な「初老のSNS」、炎上を防ぐたしなみとは?】

 Twitterの匿名アカウントでしつこく誰かを攻撃していた人が、アカウントを特定されて逮捕されるというニュースがよく聞かれます。書き込んだとされる内容を見ると、あまりのひどさに「よくもまあ、こんなことが書けるな」と驚かずにはいられません。しかし捕まった容疑者は、「悪いこととは思わなかった」といったコメントをしがち。

 いっしょに語るのはどうかと思いますが、ことほど左様に、人間は自分のことを客観的に見るのが苦手です。実名が原則で初老が大好きなフェイスブックでも、「うわ、この人、こんなこと書いちゃって」とハラハラさせられることがしばしば。「この人、こういう人だったのか」と残念な気持ちになったことがある人も多いでしょう。

 しかし書いた本人は、自分の書き込みがマイナスの印象を与えているなんて夢にも思わず、むしろ「どうだ、書いてやったぜ」と得意げな気持ちになっています。そして体感的には、初老こそがもっとも高い確率で残念で危険な書き込みをしがち。私も含めて自分のことは棚に上げるとして、誰しも眉をひそめた経験があるのではないでしょうか。