ホームに向かって左側の空間は待合室になっている。つきあたりの壁と天井が接する部分を見ると、ゆるやかに弧を描いていることがわかる。箱型の上部がカーブしている有蓋貨車(ゆうがいかしゃ)の特徴なのだ。

会津坂本駅舎の中

 会津坂本駅の開業は1928年(昭和3年)で、もともとは木造の駅舎だった。現在の貨車を改造した駅舎になったのは1984年(昭和59年)。このころに当時の国鉄が不要になった大量の貨車を売りに出したのだ。

 貨車を改造した駅舎は、木造駅舎のような趣はない。ただ風雪に強くしかもコストが抑えられるので、昭和後期に北海道を中心に「ダルマ駅」が誕生していった。

ホームより只見方向を撮影

 近年は駅舎のリニューアルが進み、ダルマ駅は姿を消しつつある。まだ残っているうちに、本州では珍しいダルマ駅を見ておいていただきたい。

 今回紹介した3駅は、いずれも会津若松と会津川口との間にある(不通だった区間ではない)。とはいえ、只見線として全線開通を迎え、ひとつの線としてつながることで、あらたな人の流れを生み、地域創生の後押しとなればいいなと思う。

只見駅近くの線路わきに並ぶ、かかしの応援団