歌川国芳は日本美術「奇想の絵師」に挙げられる浮世絵師。斬新な構図、奇想天外なアイデアで、それまでの浮世絵の枠にとどまらない広範な魅力を持つ作品を多数残している

 歌川国芳は日本橋の紺屋の家に生まれ、12歳の時、描いた「鍾馗提剣図」が当代の人気花形絵師・初代歌川豊国の目に留まり、その画才が認められ15歳で歌川豊国に入門。

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