異例の「総書記3選」に突き進む習近平主席(69歳)にとって、2年8カ月ぶりの外遊は、何より1カ月後(10月16日)に迫った第20回共産党大会に向けて、「箔をつける旅」だった。41回目となったロシアのウラジーミル・プーチン大統領との「友情」を確かめる場ではなく、だ。
「一帯一路は沿線の国の国民に福をもたらす平和の道」
今回の外遊を総括した中国共産党中央委員会機関紙『人民日報』(9月17日付)の記事のタイトルも、「ヌルスルタンからサマルカンドへ、総書記とともに見る『一帯一路』成功の実践」。長文の記事の書き出しは、こんな調子だった。
<2013年も金秋の9月だった。習近平主席は、カザフスタンのナザルバエフ大学で行った演説で、重要な発表をした。演説の中で、習近平主席は初めて、『シルクロード経済ベルト』をともに築こうと提唱したのだ。それから1カ月も経たずして、習近平主席はインドネシアで、『21世紀海上シルクロード』を共同で建設していこうと提唱した。
一本の陸路と、一本の海路。世界の版図の上で、二本の道が中国を起点として、交通の大動脈として壮大に広がり、万里に延びて、千年の旧シルクロードが、再び世界の視野に現れたのだ。
この9年来、理念は行動となり、壮大に描かれた『意図』は、精密な『工芸画』となった。『一帯一路』はまさに、沿線の国の国民に福をもたらす平和の道、繁栄の道、開放の道、緑色の道、創新の道、文明の道となったのだ>
続いて、9月14日から16日まで行われた習近平主席の外遊について、具体的に綴っている。習主席が、サマルカンドで開かれた第22回SCO(上海協力機構)メンバー国元首理事会(首脳会議)に出席したことや、カザフスタンとウズベキスタンを国賓として訪問したことなどだ。