河川の増水で橋梁が破壊されたり流されるケースが近年多発している

はじめに

 日本は昔から地震・火山・水害・雪害など多くの自然災害に悩まされてきた。

 日本列島がユーラシア大陸と太平洋の狭間に位置することから高温多湿な気候であり雨量が多い。

 特に列島中央に脊梁山地が存在するため、南北に短い急傾斜地を河川が駆け下り、集中豪雨による被害にたびたび見舞われる。

 この集中豪雨による洪水で河川堤防が決壊し市街地にあふれることが多い。

 災害の中でも橋の橋脚に流木やゴミが引っ掛かるとさらに上流から流れ下って来る大量の流木等に土砂も積み重なって河川を閉塞し橋が膨大な水をせき止めて、ダムのようになってしまう。

 このため、橋が損傷あるいは破壊されて、河川から溢れ出した水が周辺市街地に流入してしまうなどの甚大な被害に繋がりやすい。

 このような河川水害がたびたび生じることに対し、日本では昔から様々な対策が講じられてきた。

 例えば戦国武将武田信玄公が命じた河川災害対策の信玄堤などが有名である。『地球温暖化に武田信玄の知恵を生かす』(筆者拙文2019年10月30日:JBpress、https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/58078

先人の橋梁防護対策

 また、洪水被害が多発する河川に建設された重要インフラである橋梁にも合理的で極めて精緻な施工が古くから為されて被害を防ごうとしてきたことに改めて驚かされる。

 最近でも秋田・岩手・山形・新潟・福井方面で近年に例のない集中豪雨があり、洪水で多くの地域が被災した。

 その一因となっている河川の流木など、ゴミによる被害に注目してその対策を考えてみた。

 この洪水被害を大きくする原因が河川に架かる橋梁の橋桁に大量の流木・ゴミが掛かって水を堰き止めていることが多いようだ。

 それには、どのような被害軽減方法が有るだろうかと考えを巡らせていたところ、以前旅行した伊勢神宮や京都嵐山に明確な先人の足跡があることに思いが至った。

 その具体例をヒントに私なりの愚案を提示して見たいと思う。