過去にはほとんど予想もしなかった自然災害が世界各地で頻発しているのは異常気象の影響と考えられている。
最近、集中豪雨や台風による大洪水・暴風などの災害が頻発する一方、旱魃による水不足または大火災で、多くの人々やインフラが大きな被害を受けている。
地球温暖化が進んだ結果、最近わが国では全体的には降雪が少なくなっている。
しかし、日本海の水温が上昇して水蒸気量が増え、それがユーラシア大陸からの強力な寒気に晒されると、これまで経験したことのないような豪雪が短期に降るようにもなっている。
その結果、高速道路が完全にマヒ状態になったり、屋根の雪下ろし作業中に落雪で被害に遭ったりする事故も多発している。
本論は令和2(2020)年末から令和3(2021)年初頭、新潟地方に降り続いた大雪で関越・上信越自動車道などがマヒし多くの車両が路上で長時間身動きが取れなくなったことに関し、その対策を考えてみたものである。
今回発生した事案は物理的な衝突による車両の破損や人の負傷に係わると言った人命に関わる緊急性は少ない。
しかし、今回は短時間の豪雪により高速道路で数多くの車が停止を余儀なくされ、ドライバーたちが車内に閉じ込められて逃げ場を失ったが、救助活動も機能不全となって回復の時期が見通せない特性があった。
そこで、このような被害に遭遇された方々が老若男女を含め多人数に上ったことに鑑み、より早く苦痛を和らげる救助方法がないものだろうかと考えてみた。
そこで、少し前例を見ない方法ではあるが、この豪雪や悪天候の中でも迅速に現場に救助の手が届くと思われる一案を提示してみたいと思う。