中国と関係した「隠れた」問題も
上海の復旦大学に籍を置く研究者らによれば、中国が2020年時点でこれら68カ国に行っていた融資の残高は1100億ドルで、ほかの国々による二国間政府融資の合計を上回っていた。
また、これら68カ国が2022年に行う元利支払のうち、26%を中国が受け取ることになっているという。
なかにはアンゴラやラオスのように、中国への返済額が国民総所得の2%相当額を超える国も8カ国ある(図1参照)。
中国と関係した「隠れた」問題はもっと多いかもしれない。
世界銀行、米ハーバード大学、そしてドイツのシンクタンクであるキール世界経済研究所のエコノミストらの推計によれば、中国が外国に行った融資の半分は報告されていないうえ、中国は2008~21年に71件の債務再編をこっそり行っていた。
この件数はパリクラブのそれを上回っており、デフォルトが長期に及んだ末に実施されるケースが多かった。
また、これらの債務再編は必ずと言っていいほど、元本削減ではなく返済期限の延長や返済猶予期間の設定によって実施された。
ベネズエラやジンバブエのように、中国からの融資の再編を5回以上行った国もいくつかある(図2参照)。