衝撃波、騒音を抑えたオーバーチュア
コンコルドが飛行中止に追い込まれた原因は、いくつかある。
- 超音速飛行時に発生する衝撃波に反対する声が多かったこと(米大陸上空では飛行の許可が出なかった)
- 燃費が悪く定員が少ないため採算性が低かったこと
- 運賃が高額のため一部の利用者にとどまり広く一般にまで需要が拡大しなかったこと
- 2000年7月にパリで起きた墜落事故によるイメージダウン
などだ。
これらの要因に2001年9月に発生した米国での同時多発テロなどが追い打ちとなって運行を停止せざるを得なくなったのである。

ただし、パリでの墜落事故はコンコルドの機体に大きな欠陥があったわけではない。離陸時に滑走路に落ちていたコンチネンタル航空のDC-10から脱落した部品により主脚のタイヤが破損し、タイヤ片が主翼下面に当たり燃料タンクが爆発したという不運によるものであった。
コンコルドが長期間の商業飛行ができなかった理由のうち、1番目の衝撃波について述べると、オーバーチュアは巡航速度をコンコルドのマッハ2.04から1.7へ減速することで影響を少なくし、さらにエンジンにアフターバーナーを搭載せず騒音レベルも抑えている。