(作家・ジャーナリスト:青沼 陽一郎)
いったい“踏み絵”はなんだったのか。自民党の萩生田光一政調会長のことだ。
今月10日に行った内閣改造、自民党役員人事にあたって、岸田文雄首相は統一教会(現・世界平和統一家庭連合)との関係を重視していたはずだった。
「国民の皆さんの疑念を払拭するため、今回の内閣改造に当たり、私から閣僚に対しては、政治家としての責任において、それぞれ当該団体との関係を点検し、その結果を踏まえて厳正に見直すことを言明し、それを了解した者のみを任命いたしました」
内閣改造後の記者会見で、岸田首相はそう明言していた。自民党役員人事についても、また然りであることは、前日の記者会見で語っている。
生稲議員、「スタッフが判断」したから教団関連施設を訪問
改造前まで経済産業大臣だった萩生田氏は、2014年に地元の支援者の依頼で出席した会合の冒頭であいさつしたこと、同年に別のイベントに後援会役員が、17年のイベントに秘書が出席したことを公表。祝電を数回送った可能性もあるとしたが「盛会をお祝いする一般的なものだった」としていた。それが閣外に出たとはいえ、横滑りで政調会長という党の要職に就いた。これには自民党内からも人事の基準が曖昧との不満が漏れていた。
それから1週間が経って、新たな事実が発覚する。先月の参院選で初当選した、元「おニャン子クラブ」のメンバーの生稲晃子参院議員を伴って、選挙遊説中に八王子市内の教団関連施設を訪問していたことを、週刊誌媒体が報じたのだ。