ミャンマーの軍事政権の行為がついに一線を越えた。複数のミャンマーメディアが7月25日に伝えたところによれば、軍政は、拘束していた民主活動家ら4人に対し、23日に死刑を執行したという。
民主派のリーダーたちを処刑
死刑を執行されたのは、1988年に民主蜂起した学生グループのメンバーだったチョー・ミン・ユ(別名:コ・ジミー。53歳)、ヒップホップアーティストで国民民主連盟の元国会議員で、アウン・サウン・スー・チー氏の側近だったピョー・ゼヤー・トー氏(41歳)、そして軍事情報提供者を殺害したとして死刑判決が下されていた2名の人物だった。
チョー・ミン・ユ氏、ピョー・ゼヤー・トー氏は、テロ対策法に基づく軍事法廷によって今年1月に死刑判決が下されていた。こうした事態を懸念した国際社会は、民主活動家に対する死刑執行を行わないよう、たびたびミャンマー軍政に釘を刺してきた。アセアン諸国はもちろんのこと、今年6月にASEAN防衛相会合に参加した日本の岸信夫防衛相も強い懸念を表明し、軍政に対して、暴力の即時停止、拘束された関係者の解放などを要求していた。
だが、そうした国際社会の声を無視するかのように、今回、4名の死刑執行がなされた。こうなると民主派の反発はますます強まるに違いない。軍政も、反軍政勢力への弾圧を弱めるつもりはないようだ。軍政と国際社会の軋轢も強まっていくに違いない。ミャンマーの政情はますます不安定化していくことになりそうだ。