ミャンマーのミン・アウン・フライン国軍総司令官(写真:代表撮影/ロイター/アフロ)

 ミャンマーの軍政が民主活動家など4人の死刑執行方針を表明した。これに対し、カンボジアのフン宣首相は死刑中止を求めたが、ミャンマー軍政はこれを拒否したことが明らかになっている。

「死刑執行中止」を求める書簡

 フンセン首相はカンボジアがミャンマーも加盟する東南アジア諸国連合(ASEAN)の今年の議長国であることから、ASEANとして死刑の執行中止を求めていた。フンセン首相は6月10日にミャンマー軍政トップのミン・アウン・フライン国軍司令官に書簡を送り、民主活動家4人に対する死刑執行を中止するよう求めたのだ。

 書簡でフンセン首相は「死刑執行を実行すれば国際社会のさらなる厳しい非難を引き起こすことは確実である。と同時にASEAN各国は深い懸念を表明しており、今後のASEANの(ミャンマー問題への)取り組みに大きな影響を与える可能性があり、強く中止を求める」と死刑の執行中止を要求した。

 ところが軍政は11日にこのフンセン首相の要求を拒否する立場を表明し、ASEANによる執行停止の働きかけは「玄関払い」された形となった。軍政はカンボジアに対して「4人の死刑執行の必要性を強調し、特に著名な民主活動家2人が犯した犯罪の詳細を説明した」としている。

 今後ミャンマー軍政とASEANの関係が悪化する懸念が出てきた。

カンボジアのフンセン首相(写真:AP/アフロ)