コロナ禍で経営に苦しむ中小企業などを対象にした持続化給付金を不正に受給し、約10億円を得ていたとして指名手配されていた谷口光弘容疑者が、潜伏中のインドネシアで6月8日、不法滞在の容疑でインドネシア当局に逮捕された。
その後の情報によれば、谷口容疑者は潜伏先のスマトラ島南部のランプン州や中西部西スマトラ州などで、エビやナマズの養殖、養豚などを手掛ける現地の業者への投資を持ち掛けていたことが明らかになっている。
日本ではあまり食べられなくなったように見えるナマズだが
エビはインドネシアの主要輸出品の一つだ。日本のスーパーマーケットにもインドネシア産の冷凍エビが並んで売られているので、なじみのある方も多いだろう。
1990年代までは、首都ジャカルタ郊外にあるスカルノハッタ国際空港からジャカルタ市中心部に向かう道路の両側には延々とエビの養殖池が広がっていた。大雨で洪水が起きると、冠水した道路でよくエビが泳いでいたものだ。当時のジャカルタにはそんなのどかな光景が広がっていた。
その後、道路は高速道路化されて、洪水で冠水することは稀になった。
ただ現在でも地方を訪問すると、あちこちの田畑の中の空いた土地に水を張ってエビを養殖している光景がよく見られる。
このエビの養殖、そして豚の飼育は日本人にも想像しやすい仕事だろうが、もうひとつ、谷口容疑者が業者への投資を持ち掛けていた「ナマズ養殖」についてはどうだろうか? 日本ではナマズという淡水魚は、古くから食用にされてきたが、現代ではポピュラーな食材ではない。そのナマズを養殖しようとした谷口容疑者には、どのような成算があったのだろうか。