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空気は自分で選ぶ時代へ──
JBpress autographは空気質にこだわり挑み続ける東京工業大学 鍵直樹教授とパナソニックを緊急取材。産学それぞれの立場から住環境における空気のリスクや快適な生活を送るためのヒントを語っていただき、その本質に迫っていく。鍵教授へのインタビュー動画とともに、上質な空気とはなにか?を全3回のシリーズで解き明かしていく。
目次
アカデミック編「住環境の研究者 鍵直樹教授が教える 住み方には正解がある」
Panasonic編「家庭のホコリを分析して生み出されたクリーンなエアコン」
アカデミック編「住環境の研究者 鍵直樹教授が教える 住み方には正解がある」
住まい方によって空気の質は大きく変わる
テレワークなどによって自宅で過ごす時間が増えている人も多いが、無意識に吸っている空気について考えたことはあるだろうか。気密性の高い現代の住宅は、室内で発生した空気の汚染物質が外に排出されず、空気質は徐々に悪化してしまう。その原因は建物の内装材だけでなく、普段の生活の中でも発生している可能性も高い。今回は、よりよい空気質にするための家の使い方、正しい住まい方について、住環境の研究者である東京工業大学 鍵直樹教授にアドバイスしていただいた。
部屋干しや観葉植物がカビの原因にも
──毎日の暮らしの中で空気を汚染する原因はあるのでしょうか。
台所の換気扇をつけずに調理をしていると、発生した一酸化炭素や浮遊粉塵、PM2.5などがキッチンだけでなく、居室の方にまで及ぶ可能性があります。石油ストーブやガスストーブなどの燃焼器具の使用時も汚染物質の濃度が上がりますので、定期的な換気は欠かせません。また、防虫剤をタンスに入れすぎてしまうと、パラジクロロベンゼンという物質の濃度が高くなりますので、注意が必要です。
──何気ない行動によって汚染物質を発生させているのですね。
ほかにも例えば、1週間のうちの大半を部屋干ししていたり、観葉植物を多く飾ったりしている住宅は、湿気が多くカビも生えやすいと思います。室内の空気質を悪化させないためには、住まい方を見直す必要もあるのです。家電や家庭用品に取扱説明書があるように、住宅にも取扱説明書があります。自宅は生活の中心となる場所ですので、しっかりチェックして正しい住まい方を心がけましょう。
空調設備の内部も発生源
──先生が普段行っていることなど、住まい方のアドバイスをいただけないでしょうか。
住宅に設置されている換気設備は24時間つけ続けることを推奨しています。これは建材から発生するホルムアルデヒドの低減が目的なのですが、その他の汚染物質や余分な湿気を排出するためにも換気はしっかりすることが大切です。また、湿気の発生源である浴室は、居室側に湿気が入り込まないように扉を閉めて乾燥させるとよいです。
──発生源を絶つことも重要なのですね。
エアコンなどの空調設備の内部も発生源の一つ。特に夏場は温度が最適で湿度も高く、カビなどの微生物が非常に繁殖しやすい。さらにフィルターに溜まったゴミやホコリにもカビが含まれるため、放っておくとエアコンのスイッチを入れた際に冷気と一緒にカビの胞子や異臭が部屋に流れ込んでしまう可能性も。エアコンは室内の温度や湿度を調節できる、とても便利な家電ですが、メンテナンスを怠ると空気質を悪化させる原因にもなり得ますので気を付けましょう。
管理人がいるオフィスなどと違い、住宅は居住者が全て管理をしなければなりません。近年はおうち時間も増えていますが、「ちょっと臭うな」「いつもと何か違う」という問題が起きないように、定期的なメンテナンスを行うことが重要です。
高い測定技術で“空気の見える化”を促進
──住まいと空気はどのような関係があるのでしょうか。
選択の自由がある水や食べ物と異なり、空気はその場のものを吸わなければなりません。目には見えませんが、24時間365日吸い続けているからこそ、私は空気の質が大切であると考えています。仕事の生産性を高め、快適な暮らしを手に入れるためにも、空気の価値をしっかりと見いだし、よい空気環境を整えていただきたいですね。
──見えない空気を意識するのは難しい気もします……
空気の質を意識するためには、高い測定技術による“空気の見える化”も必要です。レーザープリンターやコピー機も汚染物質の発生源の一つといわれていますが、これはナノ粒子という超微粒子を測定する機器が室内環境の研究分野の研究者でも使用できることになったことによって解明され、大きな話題を呼びました。私もさまざまな測定・分析を駆使しながら、見えなかった汚染物質や発生源を明らかにし、快適な住まいづくりのお手伝いをしていきたいと考えています。
Panasonic編「家庭のホコリを分析して生み出されたクリーンなエアコン」
鍵教授によると「エアコン内部はカビの発生源の一つ」とのことだが、特に湿気が多い夏場はカビにとって絶好の生息地となる。さらにフィルターに付いたホコリがカビの栄養源になり、気づかぬうちに大繁殖していることも…。そんなエアコン内部の課題に対して、家電メーカーはどんな対策をしているのか。空調家電の先駆者、パナソニックを追った。
多くのユーザーが認める、エアコン内部に潜む空気のリスク回避術
フィルターだけでなく、奥の熱交換器までキレイにしないと意味がない。パナソニックは、エアコン内部クリーンについて研究を重ね、今年、フィルターお掃除ロボット搭載エアコンの累計販売台数(※)1,000万台を突破した。その研究の軌跡と内部クリーンにかける想いをたどる。
(※)フィルター自動お掃除ロボット搭載機種2005年1月~2022年3月累計販売台数。
油分が染み込んだ3種のホコリが付着
エアコンのフィルターは定期的な掃除が大切だと分かっていても、手の届きにくい高さに設置されているため、面倒で放置してしまいがちな人も多いだろう。しかし、その間にもホコリが積もってしまうとカビの温床となり、エアコンの運転効率の悪化とムダな電力消費を招く。「室内の空気質を悪化させないためにも、エアコンの自動お手入れ機能を開発しなければならない」と、パナソニックは業界に先駆けてお掃除ロボット開発に着手した。
パナソニックがまず取り組んだのは、ホコリの研究だ。キッチン、寝室、リビングなど、さまざまな場所で使われているエアコンだが、その内部の汚れ方やホコリの付き方は複雑だ。そこで、全国100軒以上の家庭から実際に使われているフィルターを取り寄せて、ホコリの種類や性質を分析。その結果、ホコリには3種類あり、それがブレンドされたうえに油分を含んだ状態で付着していることが分かった。
徹底的にこだわったブラシと内部構造
エアコン内部のホコリ除去においてパナソニックが注力したのが、ブラシの選定と内部構造の工夫だ。ホコリの徹底的な研究をもとに、材質やかたさ、大きさ、当てる角度など、数十種類の試作品で検証。マイクロメートル単位でこだわり、さまざまなホコリを一番よくかき取れるブラシを採用した。また、キレイさ・効率・スピードを重視して開発を重ね、内部構造をフィルター巻き取り方式に改良。フィルター全面のホコリを一度にしっかりかき取ることが可能となった。
しかし、いくらフィルターをキレイにしても、ブラシ自体が汚れたままだと、次回の掃除の時はフィルターにホコリが取り残されてしまう。そこで、常にフィルターをキレイな状態にできるように、ブラシクリーナーを搭載。クリーナーがホコリを取りこぼさないように、ダストボックスの形にも工夫を加えている。さらに、微量のホコリを自動でこまめに室外へ排出する、自動排出機能も。掃除の手間を徹底的になくすパナソニックの独自技術だ。
パナソニックでは、独自の厳しいテストを実施。ホコリの除去率をチェックする「光透過度試験」、お掃除ロボットのホコリ除去性能を確かめる「ホコリ耐久試験」など、10年相当分運転しても高い品質を保つための試験を行っている。
「ナノイーX」でカビの発生源を除去
パナソニック『エオリア』には、エアコンのフィルターだけでなく、さらにその奥にある熱交換器にも清潔を保つ工夫が施されている。独自技術「ホコリレスコーティング」によって、ホコリの付着を防ぎ、自然発生する水でホコリ汚れや油分をつるっと洗い落とすことができる。運転終了時には、エアコン内部を40℃以上に加熱して乾燥させ、さらに有害物質に働きかけるナノサイズの水イオン、新ナノイーXを内部のすみずみまで充満させて、カビ菌を除菌(★)。シーズン中はエアコンが自動で内部を清潔にしてくれるため、手間なくキレイな空気を維持できる。
★生えてしまったカビを除去する機能ではありません。
室内の空気質を悪化させないためには、空気汚染源を絶つことが重要だ。パナソニックはエアコン内部の空気の質までこだわり続け、フィルターお掃除ロボット誕生から、2022年で18年目を迎えた。室内で過ごす時間が増え、住まいの空気の質が問われている現在、「エアコン内部が清潔に保てるか?」という視点は、エアコン選びの重要な基準といえるだろう。
フィルターお掃除ロボットと新「ナノイーX」内部クリーン運転でエアコン内部の清潔性を追求
清潔な空気に徹底的にこだわるエアコン
『エオリア LXシリーズ』
空気の4要素である「温度」「湿度」「清浄度」「気流」を整え、清潔で快適な極上冷暖房を実現するプレミアムモデル。6~29畳用、全10種。オープン価格。
詳細は、https://panasonic.jp/aircon/eolia.html