来日して首相官邸を訪れた韓国次期大統領の代表団(2022年4月26日、写真:YONHAP NEWS/アフロ)

(平井 敏晴:韓国・漢陽女子大学助教授)

 韓国はまだ本気には程遠い。日本だって韓国の次期政権の言動を疑念の眼で見ていることだろう。

 日韓関係改善への取り組みのことだ。

 韓国の尹錫悦(ユン・ソンヨル)次期大統領は日本との関係改善への努力を内外(といっても「外」とはもっぱらアメリカだが)にアピールしている。政権が正式に変わってもいないのだからまだ一歩も前進できないはずなのに、すでにアクセルを踏み込んでエンジンを思いっきりふかしているという印象である。

 これまで韓国の政権は、日本からする「強硬的」とか「反日的」な態度を積み重ねてしまった。だからいきなり「日韓でレッツゴー」と言われても、どこか虚しく聞こえてしまう。

「日本は好き」だけど「日本政府は嫌い」

 私はコロナ禍で日本に2年以上帰国できていないが、それでも日本からの報道や、コロナ禍以前に帰国した際に目の当たりにした韓国への不信感から、今の日本社会が政治外交的にネガティブな視線で韓国を見ていることは、だいたい想像できる。