難民の受け入れに消極的だった日本がウクライナからの避難民を積極的に受け入れている。ただし、あくまでも難民でなく、避難民。短期滞在が前提だ。
やっとの思いで日本にたどり着いた人々。居場所を失い、命からがらやってきた彼らに「ゆくゆくは帰ってください」というのはどういうおもてなしか。全く違う文化の国になんとか馴染んだ頃にまさかの「帰ってください」。行政だけでなく、私たちもまた、日本に生活基盤を持つ外国の人々を知らず知らずに疎外していないか。
外国人にとって、日本が暮らしにくいのは文化や言葉の違いばかりではなく、私たちにいつまで経ってもこの「お客さん扱い」が抜けないせいではないだろうか。
「いつかお国へ帰るんでしょう?」
『マイスモールランド』は埼玉に住む17歳の高校生の女の子が主人公の物語だ。
学校に通い、友だちとワイワイ過ごす、当たり前の日常を過ごしている。彼女の将来の夢は小学校の先生になること。成績は優秀で教師からは大学への推薦入学を勧められている。
ただ進学のことはなかなか親に言い出せず、部活と偽り、放課後は学費を稼ぐため、家から離れた東京のコンビニでアルバイトをしている。