(髙山 亜紀:映画ライター)
2018年に劇場公開され、動員数20万人を超える大ヒットを記録したドキュメンタリー映画『ぼけますから、よろしくお願いします。』。
85歳で認知症を発症した母親と93歳の耳の遠い父親の老老介護の日々を一人娘である信友直子監督が丁寧に記録し続けた映像を、多くの人たちが自分たちのことのように、あるいは家族の一員となったような気持ちで見守った。
『ぼけますから、よろしくお願いします。~おかえり お母さん~』はその『ぼけますから、よろしくお願いします。』のまさに続編。信友家のあれからが映し出される。
前作公開前に脳梗塞で倒れていた母
『ぼけますから、よろしくお願いします。』の公開を楽しみに待っていた両親。劇場公開の日、98歳になった父親は娘に手を引かれ、壇上で舞台挨拶をする。
「私はもう長くありませんが、娘はこれからの人生ですので、よろしく応援いただきたいと思います」