ある人気タレントも同じようなことを指摘していたが、確かに白井審判員の行き過ぎた行為は、円滑に試合を進行させていくべきアンパイアとしての本来の役割とは完全にかけ離れ、どのように見ても“20歳の人気若手投手にマウントを取って、自分が教育してやったぞ”という単なる自己満足のアピールにしか思えなかった。
もしかすると本人としては何か異論があるのかもしれないが、そう思われても仕方がないだろう。ましてや試合後に白井審判員が「一切コメントはしない」とダンマリを決め込んでいるのだから、なおさらである。
NPBは白井審判員への処分を否定
一方、プロ野球を統括する日本野球機構(NPB)は白井審判員が佐々木に詰め寄った件に関し「おしかりのご意見」も含め、相当数の問い合わせが後日寄せられたことを明らかにしている。加えて当該の試合後に白井審判員が審判長から指導、注意の仕方として今回のケースにおいては別の方法があったと考えて対応するべきだったと指摘されていたことも公表された。
ただ、NPB側は今後、白井審判員に処分を科す可能性については「根拠規定はない」などとして明確に否定している。その点は規定上でやむを得ないのかもしれないが、果たして不問のまま何もしないで幕引きさせてしまって本当にいいのだろうか。あれだけ常軌を逸した「怒り」を爆発させ、感情のコントロールもできないような審判員が中立な立場を貫いて本当に冷静なジャッジができるのかどうか――。
どうしても疑問は残ってしまうだろうし、釈然としない。
しかも前記した通り、実際に白井審判員が三塁塁審を務めた27日の阪神対中日戦は観客が試合前からざわつき、妙な注目を集めてしまう結果となった。