3月22日、スポーツ分野で活躍するスターのNFT商品を企画・プロデュースする「META ALL-STARS」の設立記者会見に登場した日本ハムファイターズの「BIGBOSS」新庄剛志監督（写真：アフロ）

　早くもビッグボスが岐路に立たされた。北海道日本ハムファイターズが27日、敵地・ペイペイドームで福岡ソフトバンクホークスに4-6で敗れ、開幕カード3連敗を喫した。

　それでもチームを率いる注目の新庄剛志監督は試合後に「3つ負けたので明日から後ろの名前を『ビッグボツ』にする」と苦笑い。ユニホームの背中に記された自らの登録名「BIGBOSS」の変更を示唆する自虐的なジョークで周囲の笑いをとると「でもね、惜しかったね」と逆転負けの一戦をポジティブに振り返った。

開幕3連敗でも悲壮感なし

　指揮官には一貫して不思議なぐらい、悲壮感が微塵も感じられない。この日の試合は先発マウンドに立った4年目の吉田輝星投手が4回3失点で途中降板。

　だが、その後は新外国人ヌニエスの適時打、さらに期待の若手・万波中正外野手の同点2ラン、そして4番に据えた清宮幸太郎内野手が押し出し四球を選び、初回の3点ビハインドを覆して5回の時点で一時逆転に成功している。結局はソフトバンクの強さに押し切られ、初白星を手繰り寄せることはできなかったものの確かに全く歯が立たないような内容ではなかった。

　昨季まで3年連続のリーグ5位に沈んだ日本ハムは今、チームの過渡期に直面している。選手層は明らかに薄く、今季の日本ハムについて上位浮上を予想する下馬評はほとんどない。

　こうした苦しい台所事情を新庄監督も当然把握しており、どうやら今季は「戦力の見極め」と「若手育成」に重点を置いた戦い方を貫いていくつもりのようだ。

　一説によれば監督就任のオファーを引き受ける条件として、こうした方針を球団上層部にも新庄監督は飲ませていると指摘する声もある。就任早々に「今季は優勝は目指さない」と明言していることを考えれば、その指摘はあながち間違いではないだろう。