ロックダウンが続く中国・上海(2022年4月14日、写真:ロイター/アフロ)

(山田 珠世:中国・上海在住コラムニスト)

 上海市が3月下旬に西と東に分けて時間差ロックダウンをスタートしてから2週間。上海に住む人たちに疲労とストレスがたまってきている。エリアによってはそれ以前から封鎖されており、“軟禁”生活がすでに1カ月を超える人もいるから当然だろう。

 筆者も最近、ちょっとしたことにイライラするようになってきた。よくないと頭で分かっていても、心がついていかないのだ。「家族が健康であるだけでもありがたい」と思わなければならないことは分かっている。

 ただ、野菜や肉といった食材を節約しなければいけないことや、ほぼ毎日PCR検査か抗原検査を受けなければならないこと、天気が良く青空が広がっているというのに自宅から外に出られないこと・・・、そんな日常的で小さなストレスが積もり積もっているのも事実だ。

 上海市では今も、PCR検査による無症状感染者のあぶり出しが行われている。当初はうまくいくかと思われていたが、ここ数日は1日当たりの感染者数が2万人を超える日が続き、逆に市民のコロナウイルスに対する恐怖感が増す結果になってしまった。

 そんな上海のコロナ禍で、筆者が最も恐れていることは何か。