ロシア軍による殺戮を「ジェノサイド」と呼んだバイデン大統領(4月12日アイオワ州で、写真:AP/アフロ)

戦争犯罪からジェノサイドに“格上げ”

 ジョー・バイデン米大統領のウラジーミル・プーチン露大統領に対する憤りが日増しにエスカレートしている。

 4月12日、記者団に対し、ウクライナ侵攻に伴うロシア軍の行為について怒りが爆発した。

「ジェノサイド(集団殺害)だ」

「(プーチン大統領が)ウクライナ人が存在し得るという考えすら一掃しようとしていることが、より明確になっている」

「先週と異なり、多くの証拠が集まりつつある。ロシアはまさに恐ろしいことを行った。惨状はさらに明らかになるだろう」

 バイデン氏はこれまでロシアがウクライナで行っている殺戮は「戦争犯罪」とは言っていたが、この日は「ジェノサイド」とまで言い切った。

「ジェノサイド」とは、国民的、民族的、人種的、または宗教的な集団の全体もしくは一部を破壊する意図をもって取られる次のような行動と定義されている。

(a) 集団の構成員を殺害すること

(b) 集団の構成員に重大な肉体的または精神的な危害を加えること

(c) 全体または一部の肉体的な破壊をもたらすような危害を集団の生活条件に故意に与えること

(d) 集団内での出生を妨げることを意図とした措置を講ずること

(e) 集団の子供を別の集団に強制的に移送すること

https://www.ushmm.org/genocide-prevention/learn-about-genocide-and-other-mass-atrocities/definitions