ウクライナは、壮絶な戦いを強いられている。だが、次のロシア軍の総攻撃を凌げば、反撃に転移し、2月24日の侵攻前のラインまで押し戻すことが可能になるだろう。
これまで、ウクライナの死力を尽くした国家総力戦は、あらゆる面で尊敬に値する。
ウクライナは、世界を味方にした。兵器が撃破されても、NATO(北大西洋条約機構)を中心に兵器や軍費の支援が次々に得られている。
ロシアは、許されない無法な戦いを強行し、悪の国家の烙印を押された。この汚名を払拭するのに、とてつもない長い年月を必要とするだろう。
侵攻を受けたウクライナの国家防衛戦略は、いろいろな観点から参考になることが多い。
日本としても、現実的に戦いを遂行しているウクライナの国家運営、国防戦略さらに作戦戦術などから、多くの教訓が得られる。
ウクライナの人々が苦しんでいるのに、教訓が得られるなどとは、不道徳なことと言われるかもしれない。
しかし、現実的に我が国の防衛を深刻に考えるときは今しかない。
具体的には、以下の事項について、ウクライナの戦いの教訓を日本の防衛に当てはめて考察する。
①近代兵器を持つ2国が戦えば、どれほどの兵器の損失が出るのか
②激烈な戦いを強いられていても、国家機能を停止させないためには
③大きな兵員や兵器の損失があっても、敗北しない戦いを続けるには
④関係国の軍事的協力を得るための努力、同盟国に日本で戦ってもらうには
⑤世界のリーダーの心を掴むメディア戦略