情報戦争も消耗戦に突入

 物理的な戦争が血みどろの消耗戦になろうとしているなか、オンライン上での関心をめぐる戦いも消耗戦になっていく。

 欧米人は「トラクターや戦車のついての物語が好きだが、苦しんでいる妊婦の話は好きではない」。チブルスカ氏はこう言って、ため息をつく。

「トラクターと戦車はエンターテインメントだが、人の苦しみを認めると、全員が何かしなければならなくなる」

 写真は、19世紀に一部の人が期待したように、苦しみが目に見えるようにすることで戦争に終結をもたらすことはなかった。SNS上の画像が今、戦争を終わらせることもない。

 それでも、写真や動画は今後も撮影され、投稿され、シェアされていく。

 ウクライナが実証してみせたように、平和な時も戦争の時も、人間のリアルな生活は次第にオンライン上で送られるようになっているからだ。