真実から遠ざけられているロシアの独裁者
戦争は「計画通りに」進んでいる、と独裁者は言い張った。
本当にそう思っているのであれば、独裁者は取り巻きの手によって真実から遠ざけられている。
米国の防衛筋によれば、恐らくは兵士が死傷してロシアの侵攻部隊の10%が失われた。
また、インターネット上に公開された写真を使って兵器の追跡調査を行っているブログ「Oryx」によれば、ロシア軍の戦車は少なくとも233両、地対空ミサイル発射装置は32台、航空機、ドローンおよびヘリコプターは計41機減っている。
ロシア軍は使用できる装備を破壊されるだけでなく、かなりの割合で敵に鹵獲(ろかく)されている。
インターネットに投稿された動画には、農民が嬉々としてトラクターを操って軍用車両を牽引していく様子が映っている。
これは人的にも物的にも深刻な損失だ。
おまけに、損失はロシア軍の空挺部隊VDVや特殊部隊スペツナズ、そして訓練も装備も充実していると噂された第1親衛戦車軍といったエリート部隊に不釣り合いに多く発生しているように見える。
英国の防衛情報筋は、これらの損失は極めて深刻で、ロシアが「攻撃作戦の実行に苦労している」ほどだと話している。
ロシア軍は、東部軍管区(日本海に面したウラジオストクまで広がる区域)や太平洋艦隊、アルメニアなどから部隊を配備することを強いられている。
ロシア人やシリア人の傭兵も募集している。