プロ5年目だがリセットにより実質ゼロからのスタート

 同じパ・リーグの他球団スコアラーからも「あくまでも私見だが」との注釈付きで、清宮に次のような厳しい指摘が向けられている。

「清宮が今取り組んでいるのは、今までやってきたことをほぼ全てリセットして真っさらな状態からリスタートする作業。それは減量に伴う肉体改造によって今までのパワー頼みから脱却し新たなスタイルを確立させることや、打席で突っ込み気味に投球をとらえるのではなく呼び込んで打つという打撃フォームを心がけること、そして20日のオープン戦でもプロ入り後初めて中堅守備についたように守れるポジションも広げ、自身の守備力も同時に高めていくことなど、山積する数多の課題に取り組んでいる。プロ5年目ではなく、つまり1年目のゼロからのような状況から再生しようとしているのだから期待通りに結果を出すにしても、まだまだ相当な時間がかかるとみている。

 現場では新庄監督はもちろんのこと、チームに帯同しているフロントの稲葉篤紀GMまで躍起になって清宮を育成していると聞いているが、かなり難航するのではないか。しかも当の清宮本人に危機感が薄過ぎるように感じられる点も非常に気がかりだ」

 21日には北海道北広島市で2023年3月に開業予定となっている日本ハムの新球場「エスコンフィールドHOKKAIDO」の内部の様子が報道陣に公開された。同球場が新本拠地として開幕を迎える来季に照準を合わせ、球団側はやはり“理想のシナリオ”として新庄監督の2年目リーグV&日本一、そしてとニュースター・清宮の大ブレイクを思い描いているようだ。

 あえて未完の大器に厳しい言葉を並べたが、いざフタを開けてみたときに「どうせプロ5年目の今年もまたダメだろう」という下馬評をひっくりかえす猛奮起を見せることができれば、清宮はそれこそ正真正銘のスーパースターになれるだろう。日本ハムの球団フロントも、そしてまた現場トップの新庄監督も清宮の「発奮」を心待ちにしているに違いない。