だがプロ入り後、ここまで低空飛行のまま浮上のきっかけが全く見えてこない。新たに就任したビッグボスこと新庄剛志監督からも昨秋には「デブじゃね」と突っ込みを入れられてさすがに焦りを覚えたのか、必死になって9キロの減量に成功したまでは良かった。春季キャンプでは各メディアから「痩せたことで動きがこれまでと全然違う」などと過剰に持ち上げられたものの、結局はそこまで。
キャンプの成果を見せつけなければならないはずの実戦では案の定“化けの皮”を剥がされ、満足のいく結果を残せないまま終わってしまった。
オープン戦最終戦では二塁打が飛び出したものの
プロ5年目のオープン戦は13試合で打率2割、本塁打、打点ともに0。「ファイターズを背負う大砲」としてドラ1指名で入団しながらも定位置を未だに確保できず、このザマでは普通の物差しで考えればさすがに厳しい。常識にとらわれない新庄監督がどのように考えているかは不透明だが、今の清宮を開幕スタメンに使うことはかなりの「冒険」と言わざるを得ないだろう。
それでも風当たりがナゼか厳しくならない背景には、新庄監督のシンパと思われるファンや高校時代から熱心に応援し続ける“清宮信者”がネット上などで事あるごとに今も必死になってかばっていることも要因として挙げられる。
新庄監督も先月のキャンプ中、練習試合で顔を合わせた相手の中日・立浪和義監督に清宮への打撃指導をお願いするなど未完の大器の覚醒を図ろうと、あらゆる手を尽くして腐心し続けている。だが、笛吹けど踊らずでは元も子もない。
19日のDeNA戦(札幌ドーム)では2打席連続で空振り三振に倒れ、4回終了後に途中交代させられた。その理由を新庄監督が試合後に「迷っているスイングをベンチが見ると吸い込まれる」と説明し、断罪。翌20日のオープン戦最終戦で二塁打を放ち、11打席ぶりの安打で締めたものの“これで開花の時を迎えた”と本気で思う人がいたら余程の楽天家だ。