(沖 有人:スタイルアクト代表取締役)
オミクロン株は新型コロナ史上、最大の急拡大を続けている。実に2週間前の50倍だ。ワクチン接種率が高い国でも、日本と同様の増え方になっており、ワクチンで止められた第5波のデルタ株とは明らかに違う。
そんな中、オミクロン株の感染の始まりが早かった地域では、新規感染者数は減り始めている。今回の突破口はそこにありそうで、私たちの生活防衛策を見出すしかない。
オミクロン株の発祥の地である南アフリカでは既に新規感染者数は減り始めている。増え始めは2021年11月23日で、急拡大はしたものの、約3週間後の2021年12月12日にピークを迎えた。その後は毎週、確実に減少しており、1月16日の時点ではピークの10分の1程度になっている。
同様に、英国では2021年12月13日に新規感染者数が増え始め、22日後の1月4日にピークを迎えた。その12日後にはピークの4割まで減少している。米国でも、増え始めから23日後にピークを迎えた模様だ。
どうやら、この新種のコロナウイルスは台風のように短期間で通り過ぎる可能性が高い。
実際、発症まで平均3日(これまでは平均5日だった)で、感染力は、その期間の短さもあいまって非常に高く、デルタ株の2.6倍と推計されるが、これまでよりも終焉も早いようだ。
そして、重症化率が低いことも分かっている。
英国では重症化率がデルタ株の0.35倍と計算され、重症化しにくいがゆえに死亡者数も抑えられている。その死亡者数も感染発覚から8日後で相関しており、早期発見して早期治療が必要だが、それをしてしまえば、長いこと入院したり、後遺症に苦しんだりする可能性も低くなりそうだ。もちろん、感染者数の急増で適切な初動の措置ができない恐れはあるが、感染発覚後の初動が生死を分けると考えるに足る情報が揃っている。