1月12日、日本全国のオミクロン株に伴う新規感染者数は1万3052人を数え、東京都の陽性者も2198人が確認されたと報じられました。
東京のこの数は、沖縄県同日の1644人を大きく超えるものです。
水際対策不能な米軍の人流が拡大したと言われるオミクロン株ですが、日本人同士間での市中感染が支配的となった節目として理解することができる逆転現象。
さらに本稿校正中の1月13日夕刻には全国で何と1万8673人、東京だけで3124人という、ほとんど垂直上昇に近い激増を見せてしまいました。
すでに沖縄単体の伸び率ははるかに超えており、市中感染が全国に行き渡りつつある。早晩2万人を超えるのは時間の問題ですらなく、推移を見守る以外、打つ手が何もない。
今後は、統計的には行き着くところまで行くしかない、処置なしに近い状態に近づきつつあるわけで、大変残念です。
試みに、2020年1月から日本国内で確認された全コロナ陽性者数を毎日プロットしてみると、2022年1月の状況の異常さは一目瞭然でしょう。
各国のオミクロン株流行状況を見れば、少なくとも2~3週間の感染拡大期が確認されています。
このペースで感染数がどこまで増えるのか。欧州では1月中に全人口の50%が罹患する恐れがある、との観測も報じられました。
しかし「感染数ばかり増えた増えたと報道する、その実、弱毒化しているのだから偏向報道だ」といったネットの書き込みなども見受けます。本当にそうなのでしょうか?
メディアが掲載する記事にもオミクロン株「弱毒」「軽症」「入院者数激減」といった表現で、その影響を低く見積もる見解を目にします。
さらに医療関係者の肩書が記された記事ですら「コロナはこのまま弱毒化してインフルエンザ、風邪と見分けのつかない症状に漸近」といった記載がありました。
これらすべてに共通するのは、この病気や病原体の分子メカニズムに立脚した正確な議論とおよそかけ離れている、つまり根拠の希薄な流言飛語だということです。