河野太郎氏の活躍が懐かしい

 堀内氏の資質に関しては、国民民主党の玉木雄一郎代表が簡潔に指摘している。玉木氏は1月7日、ツイッターに「今は3回目接種を急ぐ段階だと思うがワクチン担当大臣からのタイムリーな情報発信がない。改善を!」と投稿した。「前任者と比較するのは酷だが、国民が3回目接種についての情報を欲している今こそ、堀内ワクチン担当大臣にはもっと頻度高く情報発信してもらいたい」と注文もつけている。

 前任者とは、圧倒的知名度を誇る河野太郎・前ワクチン担当相のことだ。ツイッターのフォロワー数は200万人超、その驚異的な発信力を武器に世論に訴え、国民のほぼ8割が2回の接種を済ませるという偉業を牽引した。岸田首相は早急に堀内氏を交代させるべきだろう。

 今のところ、オミクロン株はデルタ株ほど重症化するわけではないが、いつウイルスは変異するかわからず、このまま指数関数的に感染者が増えれば医療態勢は逼迫するのは確実だ。「風邪みたいなもの」と割り切る方法もあるようだが、それ以前の問題として、政府は3回目のワクチン接種をもっと早く進めることができたはずだ。昨年10月から昨年末までの3カ月間、岸田政権はいったい何をしてきたのか。

 政府は1月7日、広島、山口、沖縄の3県に「まん延防止等重点措置」を適用することを決定した。略して「まん防」と呼ばれるこの措置は、菅政権時代にも批判された対応だ。効果があるかどうか不透明な、中途半端な施策である。岸田首相は、菅前首相をまるで罵るかのように厳しく批判していたが、コロナ対策については前例踏襲で済ませているように思える。