沖縄県におけるオミクロン株の凄まじい広がりは、マスクをせずに基地外で酒を飲んでいた米兵から始まったというのは大方が一致している見方だ。米軍のコロナ対策はとにかくずさんに尽きる。在日米軍司令部は1月6日、公共の場でのマスク着用、基地外でのマスク着用を義務付けることをようやく発表したが、裏をかえせばこれまでノーマスクでウイルスをまき散らしていたことになる。

 林芳正外相は6日、ブリンケン米国務長官と電話会談を行い、外出制限の導入などを求めたが、何を今さらという印象はぬぐえない。

無策の岸田首相、対米弱腰で招いた感染爆発

 本来であれば、岸田首相がバイデン大統領に直接抗議すべき案件である。しかし、岸田首相はまだそれができない。いまだに訪米は実現せず、バイデン大統領との信頼関係ができていない。バイデン氏とは昨年11月2日、COP26(国連気候変動枠組条約第26回締約国会議)が行われた英・グラスゴーで短時間懇談を行ったが、まだその程度だ。一連の対応をみていると「対米弱腰」といわれても仕方がない(編集部註:1月9日、ようやく日米両政府は10日から米軍関係者の不要不急の外出を制限することで大筋合意した)。

 菅前首相は感染状況がもっと悪い状態で2度の訪米を果たした。バイデン氏との個人的信頼関係も構築した。今思うと、コロナ対策でも、外交でも、菅前首相は「仕事」をしたといえる。愛想の良さや誠実な答弁だけでは危機は突破できない。岸田首相は早く指導力、決断力を発揮して「仕事」をすべきだろう。