「自滅する覚悟で事実を明かす」
でも私には、この3年間の感情を、放り捨てる場所がない。もう会うこともままならない。あなたはいつも、私が録音器を持っていないかとか、証拠を残そうとしていないかということを恐れていた。
そうだ。私自身の存在以外に、証拠を示すものは残っていない。録音も録画もしていない。ただねじ曲げられた私の真実の経歴があるだけだ。
高位権重の張高麗副総理におかれましては、過度に恐れることもないと思うでしょう。でも私は、たとえ石にぶち当たる卵であれ、火に飛び入る蛾であれ、自滅する覚悟で、あなたとの間にあった事実を明かす。
あなたは知恵と謀略を使って、必ずや否認し、もしくは私に反駁するだろう。どうぞ好きになさって下さい。あなたはよく言ってたわね。母親が天から自分を守ってほしいと。私は人母にそぐわない悪い女なんだわ。
あなたは息子と娘の父親でもある。私はあなたに尋ねたことがあったわね。「あなたは自分の娘にも、私にやらせているようなことをやらせることができるの?」。
あなたはこの世で自分がやってきた一切のことを背負って、後日安心して母親に会えるの? 私たちはとても厳粛な気がする・・・>
以上である。身を挺しての、凄まじい告白である。彼女は今後、中国でテニスプレーヤーとして生きていくことはできないだろう。テニスどころか、「存在」すら許されなくなるかもしれない。身の上が案じられる。
ただ、「ロボット政治家」も、やはり人間であることは証明された。
【編集部より】掲載当初、第18回中国共産党大会で党中央政治局常務委員が9名選ばれ張高麗は9番目として選ばれたとの趣旨の記述がありましたが、実際には選ばれた常務委員は7名で張高麗はその7番目でした。お詫びして訂正いたします(2021年11月5日記)。