米上院でエネルギー法案が可決され演説するカマラ・ハリス副大統領(8月10日、写真:AP/アフロ)

難題を丸投げするバイデン大統領

 米歴代副大統領でカマラ・ハリス氏(56)ほど動き回る副大統領は過去にいなかった。

 しかもジョー・バイデン大統領(78)が高齢ということもあるが、これほどこき使われている副大統領も過去にはいなかった。

 民主、共和歴代政権が放り投げてしまった不法移民問題に始まり、労組再建促進、選挙区区割り、そして今度はアジア外交とバイデン大統領はハリス氏に丸投げしている。

 ハリス氏は文句ひとつ言わずに(?)奮闘している。それなのにあまり報われていない。

 世間のハリス評価は極めて低い。特に与党民主党の政治プロの大半は、ハリス氏が2024年の民主党大統領候補になることにはネガティブなのだ。

 万一(その可能性は極めて高いが)、バイデン氏が再出馬しなければ、大統領継承順位第1位のハリス氏が次期大統領候補のフロントランナーになってもおかしくない。

 ところがいまのところ、そうした流れにはなっていない。

 その最大の理由は、民主党の政治プロも党員たちもハリス氏では大統領選挙には勝てないとみているからだ。

 ハリス氏が女性だからか。黒人とインド系の混血だからか。

 ずばり、国民的な人気がないのだ。