しかし、要因はそれだけではない。酒税を徴収する税務署の姿勢が緩んだおかげもあるようだ。以前、ある酒蔵で聞いた話である。
「『活性濁り酒』を売り出そうとしたら、税務署からすごく怒られました。『おり』を残して、火入れせず瓶内発酵しているのだから、『出荷後に1%くらいは度数が上がるのではないか』というんです。酒税は出荷時、1%ごとに課税されるので、つまり、そのぶんの税金が取りはぐれると・・・」
なんともいじましい・・・。しかし、これは10年以上前の話だ。今では多様な酒を楽しむことができるようになったのである。
自家製どぶろくとは一味違う、プロが作る「活性濁り酒」の爽快さとふくよかさ
「活性濁り酒」のよさは、なんといっても泡がはじける爽快さ。飲み口が良く、同時に、ふくよかな米と麹の味わいがあとをひく。かの酒蔵のご主人が言うように、手造りのよさとは別の「プロの味」である。
味はもちろんだが、さらに酵母が生きているということもうれしい。味噌や納豆、ヨーグルトなどと同じ「発酵食品」なのである。
そして、最近では、8~10%程度の低アルコールタイプも増えている。
私の周りでは、「日本酒の味は好きだがすぐ酔うので飲まない」という女性の友人が多い。こうした人たちにもなじみやすいお酒になるのではないかと思う。
今回は、数多い「活性濁り酒」からオススメの5銘柄を選んでみた。