日産自動車のグローバル本社(写真:長田洋平/アフロ)

(桃田 健史:自動車ジャーナリスト)

 日産自動車の業績が回復基調に乗った。

 7月28日、日産は2021年4~6月期(第1四半期)の連結決算を発表した。グローバル市場の全体需要が前期比66%増となる中、日産のグローバル販売は前期の64万3000台から104万8000台へと63%伸長した。2020年春は新型コロナ感染症の影響で、グローバル生産工場の稼働停止や販売店の休業を迫られ、グローバル販売が大きく落ち込んだ。その反動として今期は伸び率が大きくなった形だ。

 今回の決算発表で内田誠CEOは、グローバル販売の好調を受けて、今年(2021年)5月時点で示した通期見通しを上方修正した。目標の販売台数は440万台と変わらないが、売上高を6500億円上積みして9兆7500億円、当期純利益を600億円の赤字から1200億円上積みして600億円の黒字、そして営業利益率は1.5%とした。

 2023年度までの事業構造改革計画「NISSAN NEXT」で掲げている営業利益率の目標は、2021年度に2.0%、2023年度に5%としており、それに向けて「日産の変革は着実に進んでいる」と、内田CEOは会社の軌道修正が功を奏していることの自信を示した。

e-POWER搭載で販売好調の新型「ノート」(筆者撮影)