日本がメダルラッシュの予感、熱狂で「感染爆発」への備え忘れてはならない

 一方、東京五輪に参加する肝心の各国代表選手たちも今大会の杜撰(ずさん)なスケジューリングと管理体制に悲鳴を上げている。豪州代表の女子ソフトボールチームは群馬県太田市で事前合宿をスタート。海外の選手団が日本国内で合宿地入りするのは初めてとあって、各メディアでも大々的に報じられたが、6日に予定されていた東海大学との練習試合がお互いの感染予防のため中止となるなど早くも破綻状態へ追い込まれている。

 そのほか、海外代表選手団の事前合宿が行われる予定だった自治体から次々と「中止」が発表され、予想されていた事態とはいえ不穏なドミノ現象に歯止めが利かなくなっているのも気がかりだ。

「海外の代表選手が事前合宿を行えずに大会直前で来日し、ぶっつけ本番となればベストコンディションで競技に臨めるとはとても言えない。コロナだけでなく日本の酷暑への対応もままならないだろう。そう考えると、この東京五輪はかつてないほど日本の代表選手たちにとって絶対有利の環境になる。それが良いか悪いかは別にして“ホームアドバンテージ”で地の利を生かし、史上空前のメダルラッシュとなりそうな予感は確かにある」(組織委関係者)

 ただでさえコロナ禍で身動きが取れない中、自国開催の特権を存分に生かせる日本とハンデを背負う他国との間にはとんでもない格差が生じるのは必至。たとえそんな不公平があろうともメディアは手のひら返しで日本のメダルラッシュや奮闘ぶりを針小棒大にしながら報じ「感動の押し売り」を図ろうとしている流れは容易に想像がつく。悲しいかなどうしても熱しやすい国民は強行開催に対する怒りを忘却し五輪フィーバーにあっさりと流され、7月23日の開幕以降はワーワーと熱狂して騒ぎ出すことになるだろう。これこそが政府、組織委、JOC(日本オリンピック委員会)、そして一部開催強硬派ら大会関係者の思い描く理想のシナリオなのだ。

 杜撰かつ不公平な東京五輪が“大本営発表”で表向きに成功したとしても、その代償としてコロナ再蔓延のリスクが待ち受けている可能性は当然否定し切れない。一体、アフター東京五輪の日本はどうなっているのか。その答えは誰にも分からない。いずれにせよ説得力に欠ける「安心安全な五輪」の言葉のもと、国民は総動員でロシアンルーレットの回る“戦場”へと駆り出されることになる。