「安心・安全」の対象は五輪でも選手でもなく国民のはず

 28日の会見で菅首相は、緊急事態宣言下での開催については、煙に巻いて答えようとしなかった。むしろ「安全・安心」にこだわって、IOCに追従する構えだ。いまだに首相は、どこかで流れが変わるとでも、希望的観測を抱いているようだ。

 希望的観測は、例えば戦時中のインパール作戦で、3週間で必ず攻略できると見積もったはずが、当てが外れた時の対処策もなく、兵站は尽き、それでも陸軍中枢部の誰も作戦中止を言い出さなかったことから、作戦失敗に伴う日本兵の犠牲者の数を増やしていくばかりだった。

「安心・安全」を守るのは、オリンピックでも、選手でもない。まず、守るべきは日本国民の生命だ。それが行政府の長の務めだ。それもできずに、IOCの言いなりになり、選手村では好き勝手やらせておいて、その外側の東京都民、日本国民に不自由を強いるのであれば、あえてこう呼ばざるを得ない。

 いまの日本の首相は売国奴である、と。