支持率の低下が続く菅政権だが、目玉政策の「デジタル庁」設置に向け法案が可決された(写真:代表撮影/ロイター/アフロ)

(朝比奈 一郎:青山社中筆頭代表・CEO)

 ワクチンの大規模接種がようやくはじまりましたが、新型コロナの収束はまだ「見えてきた」とは言える状況にありません。ウイルスとの厳しい戦いは現在も継続中です。

 そういう中で菅内閣の支持率も落ち込み始めています。5月22日に毎日新聞と社会調査研究センターが実施した調査では、支持率は31%でした。4月18日の前回調査の40%から9ポイントの下落、政権発足以来最低の水準です。不支持率のほうは59%で、こちらは前回の51%から8ポイント上昇しています。

 これまでの多くの政権で支持率が下落する要因というのは不祥事がらみが多かったのですが、菅内閣ではほぼ新型コロナの感染者数を連動しているような状況です。政権としては、支持率浮上のためにもなんとかしてコロナを早期に抑え込みたいところでしょう。

 そういう中で菅政権の目玉政策がいよいよ動き出しました。5月12日、デジタル改革関連6法案が通過したのです。行政のデジタル化を推進する各種法案ですが、目玉の一つが「デジタル庁」の設置です。

デジタル改革の司令塔「デジタル庁」

 行政のデジタル改革は菅義偉首相肝いりの政策ですが、果たしてうまく機能することができるのか、まずはそこから分析してみたいと思います。

 今回のデジタル改革関連6法には、柱が3つあると思います。1つが行政に絡むシステムの統一。2つ目にマイナンバーとの紐づけ。3つ目が広い意味での「デジタル化」です。