「私たちの燕語茶館は、茶室とお茶をあわせて楽しんでいただくために、2018年から広州市内で茶館事業を行っています。もともと広東料理のレストランを運営する会社でしたが、創業者の強い思いもあり、茶館の運営を始めました」

インタビューに応じていただいた燕語茶館の王雷氏(右、筆者撮影)

「私たちは茶の栽培や加工も行っていますが、2012年からはお茶のオンライン販売を始めました。そのお茶を幅広く消費者に味わっていただくために、この茶館を開業しました。近年は、茶館を単独で運営するというよりは、総合的なビジネスの一事業として行うようになりつつあります」

「最近ではミルクティーやコーヒーを飲む人も増えてきていますが、これらはあくまでも“できたもの”を飲むものです。お茶は“できたもの”を飲むだけではなく、茶葉を購入して自宅で飲んだり、茶館で茶師が沸かすお茶を楽しんだりと、多様性を楽しむものという位置づけにあります」

「私たちが提供する茶館という空間は、限られた親しい人間関係に基づいて、守られた空間内での時間を過ごすことを目的としています。本当に親しい友人などを連れてくる場所づくりを目指しているのです。開放的な空間やコミュニティを広げることを目指している咖啡館とはその点が異なります」

「茶館は企業の接待や内密な商談を行う場所として使われることも多いです。35歳以上の年齢層で会社内の幹部クラスが多く利用しています。3時間くらいの滞在で、1グループの支払額は500元(約8500円)ぐらいです。その場でお茶の葉を購入する方がいれば、1000元ぐらいになるでしょう」

文化サロンや撮影会などの開催場所に茶館が選ばれることもある(燕語茶館提供)