ワクチン接種を公開した文在寅大統領(写真:YONHAP NEWS/アフロ)

 2月26日より新型コロナの予防ワクチンの接種が始まった韓国。現在は医療関係者に続いて医療・介護施設に入所している高齢者を対象とした接種が進められている。ハイペースでワクチン接種が進んでいる印象を受ける韓国だが、世界各国で指摘されている接種後の副作用に加えて、ワクチンに対する不安や懐疑的な声が周囲から聞こえてくるのも事実だ。

 韓国の通信社、NEWSIS(ニューシス)の報道によると、3月29日現在、新型コロナのワクチン接種の件数は約80万件近くにのぼっている。このうち英アストラゼネカ製は73万3586人、米ファイザー製は6万380人、国民の1.53%が接種を受けたという計算だ。

 また、接種後の副作用(頭痛、発熱、倦怠感、嘔吐など)の症状の発生については、アストラゼネカ製で1万26人、ファイザー製では321人が報告されている。接種後の死亡はこれまでに21件とされているが、うち16人の死亡については接種との因果関係は見つからず、接種による死亡とは見なされていない。

 今後は、4月に75歳以上の高齢者や教育関係施設の保健教諭、5~6月には航空会社勤務者、65歳上の高齢者、教員というスケジュールで接種が進められていく予定だ。外国人居住者についても、外国人登録をし、国の医療保険に加入していれば韓国人と同時期のスケジュールでの接種が可能であると発表されている。

 ちなみに、現在の接種対象者はアストラゼネカ製のワクチンが中心で、今後はファイザー製の接種が増えていくが、接種件数の偏りを防ぐため、ワクチンの製薬会社の選択についてはできないとのことである。

 接種対象者のトップバッターとして実際にワクチンの接種を受けた医療関係者や高齢者の数人から、接種についての様子や接種後の症状について聞くことができたので、参考までに何人かの声をお伝えしよう。