4 結言

 このように中国に対する三重の包囲環こそが、自由主義国家が望みを託すインド太平洋構想の理想の姿である。

 クワッドといわれるものの、米国は三重の包囲環すべてに大きな役割を有しているが、日本は台湾と共に第1列島線の盾であると同時に、米国と共に中国艦隊を撃滅する要である。

 そして、印豪はその外側の経済封鎖ラインの要となるだろう。

 もちろん、作戦は融通無碍であるから、各国の役割は固定なものではなく、戦況に応じ変化させていくことが必要である。

 日本が何時までも歪な軍事力でよしとする時代は終わった。

 他国とリスクを分かち合い、尊敬される「国家」として自由を守る盾となれるよう自衛隊を「国防軍」とすべき時は今である。