(平井 敏晴:韓国・漢陽女子大学助教授)
台湾は親日で、韓国は反日じゃないか。そう言われることがよくある。でも台湾は尖閣諸島の領有権を主張して日本に反発し、一方で韓国では旅行先として日本がトップの人気だ。台湾と韓国のこの比較対照は、いったいどこまで本当なのか?
日本の某出版社の社長さんが続けてこう切り出した。
韓国に住んでいるから韓国の事情はわかるだろう。台湾に何度か足を運んでその親日具合について探り韓国と比較してみてほしい、というのだ。
内心、また厄介で面倒な提案をされたもんだと思いもしたが、台湾は好きなところだし、専門分野の研究で台湾を調査しておかなくてはとも考えていたので、取材をすることにした。
だが原稿をほぼ書き上げる頃、その出版社が事業停止になってしまった。そこで、これから何回かにわけて、その原稿の一部を改変して公開する。
朝鮮王朝を潰した日本に反発
「韓国が日本に反発してしまう理由はいろいろありますが、私がまず思うのは、王朝があったからですよ。台湾にはなかったでしょ」