「前座話ができてねぇ」圓丈の落語教育
さて、破天荒で革命的な三遊亭圓丈師の「新作落語」ですが、ではそんな圓丈師匠、どんな人材育成をしているのでしょうか?
破天荒な新作ばかり教えているのか。漏れ聴く限りでありますが、およそそういうことではないらしい。
「三遊亭」の伝統は、きちんと教えることにあるとされます。
これと好対照なのが「柳家」ほったらかし。
上方でも米朝一門など「桂」がお稽古に熱心なのに対して、笑福亭一門は放任で教えない。いずれにも根拠はあると思います。
落語は入門のはじめ、「前座噺」と呼ばれる短い噺を習います。
「道潅」「寿限無」「饅頭こわい」「金明竹」などがそれにあたるかと思いますが、初心者である「前座」さんが「口慣らし」に習う、などと書いてあることがある。
これは大きく間違っていると思うのです。
ピアノ音楽でいえばモーツァルトやベートーベンのソナタみたいなもので、初期に習いますが、大家が脂の乗り切った時期にライフワークとして録音したりする。
前座話というのは、古典中の古典、芸の神髄で、すべてそこに始まり、そこに帰っていく。
新作で知られる圓丈師ですが、弟子の三遊亭わん丈がこんな稽古の風景(https://www.kugaraku.com/%E3%81%93%E3%82%8C%E3%81%BE%E3%81%A7%E3%81%AE%E3%81%8F%E3%81%8C%E3%82%89%E3%81%8F/%E7%AC%AC15%E5%9B%9E-%E4%B8%89%E9%81%8A%E4%BA%AD%E3%82%8F%E3%82%93%E4%B8%88%E3%81%95%E3%82%93%E3%81%AE%E5%9B%9E-%E7%B5%82%E4%BA%86/%E4%B8%89%E9%81%8A%E4%BA%AD%E3%82%8F%E3%82%93%E4%B8%88-%E7%8B%AC%E5%8D%A0%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%83%93%E3%83%A5%E3%83%BC-%EF%BC%97/)を伝えています。